ちょっとためになる骨粗鬆症と椎体骨折の話(健康寿命と骨粗鬆症)
2018/3/15
-皆さんこんにちは、お変わりありませんか?脊椎脊髄外科 久保田基夫 です。
2014年4月から2015年1月までこの亀田ニュースで『ちょっとためになる背骨と神経の話』というエッセイを連載させていただきました。連載を大切にファイルして下さっている方、ラインマーカーで線を引きながら読んで下さった方、「おらあ、この病気じゃねーかと思うだよ」と亀田ニュースを握りしめながら外来を受診して下さった方…、拙(つたな)い文章にもかかわらず、沢山の方が熱心に読んで下さり感激いたしました。ありがとうございました。
連載終了後に広報企画室の方たちが同じタイトルの小冊子にまとめて下さいました。こちらも好評ですでに第3版になりました。タリーズ脇のホールにおいてあります。ご希望の方はお持ち下さい。
平均寿命と健康寿命
皆さんもご存じのように日本は世界一の長寿国です。平均寿命は男性 79.5歳、女性 86.3歳と報告されています(平成22年、厚生労働省)。
さて、ここで質問です。私たちは何歳まで健康で暮らせるでしょうか?「健康寿命」という言葉を聞いたことがありますか?いくつかの定義がありますが、基本的に「健康で生活できる年齢」と考えていただいて良いと思います。平成22年の報告では、健康寿命は男性 70.4歳、女性 73.6歳でした。
平均寿命と健康寿命の差(男性 9.1年、女性 12.7年)は何らかの障害を持って、人によっては誰かの介護を受けながら生活している年月ということになります。そして、健康寿命を縮めている要因の一つに「骨粗鬆症(こつそしょうしょう)」、正確に言えば骨粗鬆症に伴う骨折があります。
せっかくですから、健康で長生きしたいですね。
「骨粗鬆症」って何?
「コツソショウショウ」、何だか言いにくい言葉ですね。いつも感じることですが、医学用語は難しい漢字が多すぎる気がします。きっと偉い人が決めたんでしょうね。
「粗(そ)」は本来「あらい、おおまかな」というような意味です。冬に美味しいサカナのあら汁の「粗(あら)」もこの漢字を当てるのだそうです。さて「鬆(しょう)」ですが、「(重なった松の葉から空が透けて見えるように)スカスカになった状態」を指す言葉だそうです。私は「骨粗鬆症」以外で使われているのを見たことがありませんでしたが、成長しすぎたダイコンやゴボウなどに空間(亀裂)ができることを「鬆(す)がはいる」と言いますが、その時もこの漢字を使うのだそうです。
漢字から想像すると骨粗鬆症は、「骨が粗(あら)くスカスカになった病気」と言うことになりますね。イラストのような状態、イメージしていただけるでしょうか?
今回の連載では『ちょっとためになる骨粗鬆症と椎体骨折の話』をさせていただきます。「私の骨は大丈夫?」って気にされている方も多いのではないでしょうか?
『背骨と神経の話』は私一人で担当させていただきましたが、今回は私の他に、理学療法士、薬剤師、看護師、栄養士、ソーシャルワーカーの方たちにも企画に加わっていただき、それぞれの立場から「骨粗鬆症」について解説していただきます。
楽しみにしていて下さいね。
脊椎脊髄外科のご案内
亀田総合病院 脊椎脊髄外科部長 久保田基夫