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健口(けんこう)な歯で“歯”ッピーライフ(これからの歯科センターの取り組み)

2013/03/01

超高齢化社会を迎える日本において、医療の発展に伴い、歯科の役割は拡大しつつあります。亀田メディカルセンターでは、さまざまな全身疾患を有する方が、当歯科センターを受診されています。例えば、糖尿病は歯周病の悪化を促進することが知られています。同様に全身的疾患が原因となり、口腔内に様々な症状が現れることがあります。

このような状態の改善に対し、当歯科センターでは、グループ診療を実施し、一口腔一単位(いっこうくういちたんい)(※1)で治療計画の立案をし、診療を行うようにしてまいりました。現在では、このグループ診療の体系も確立し、順調に経過してきています。

図 「米山武義ら:要介護高齢者に対する口腔衛生の誤嚥性肺炎予防効果に関する研究、日本歯科医師学会会報誌2001」 より引用

高齢者や脳血管障害(脳梗塞、脳内出血)、パーキンソン症候群、アルツハイマー型痴呆症(認知症)の方は、日常の歯磨きや入れ歯の清掃・手入れなどを行っていない場合や不十分な場合、口の中で細菌が繁殖し、誤嚥(ごえん)(口の中の唾液、たん、食べ物が気管の中に入り込むこと)により、肺炎を引き起こすことが知られています。誤嚥性肺炎は、口の中をきれいにすることで細菌を減らし、発症のリスクを低くすることができます。

しかしながら、誤嚥性肺炎は、高齢者の方ばかりの問題ではなく、手術や化学療法等の治療を受けられる患者さまに対しても、同様なことがいえます。処置前後に口腔ケアをはじめとする、歯科処置を受けていただくことは、誤嚥性肺炎のリスクを低下すると言われています。

そこで、当歯科センターでも、脳血管障害などの嚥下障害のある方や手術や化学療法等の処置を受ける方に、口腔内診査及び口腔ケアを行い、治療後の口腔内のトラブルや誤嚥性肺炎のリスクを減らす努力をしています。具体的には、栄養サポートチーム(NST:NUTRITION SUPPORT TEAM)に歯科医師、歯科衛生士が加わり、定期的な情報交換を行い、情報の共有を図っています。病室からの移動が困難な場合でも、病室に歯科センターのNSTスタッフが伺い歯科処置や口腔ケア等の処置を行っています。

昨年、当院はJCI(JOINT COMMISSION INTERNATIONAL)認証を更新しました。更新審査にあたり、当歯科センターも、この審査基準を満たすように、治療内容だけではなく、使用する機材についても、検討を行いました。使用材料は、可能な限りディスポーザブル(使い捨て)のものを使用し、対応できない機材に関しては、すべて滅菌を行うようにしています。また、今年からは、出来上がった銀歯や、入れ歯等の技工物に関しても、紫外線滅菌が可能な体制を整えました。これにより、より安全な機材の使用や、技工物の装着が可能になりました。

さらに、昨年より歯科センター独自の医療安全管理委員会を立ち上げ、患者さまにより安全で、安心して治療を提供できるように、医療安全の確立を図っています。

医療の質は当然のことながら、それをとりまく、医療の環境も整えていくために、日々、スタッフ全員で取り組んでいます。

※1口腔内にある虫歯、歯周病、さらにかみ合わせまで、口の中全体を診察し、患者さまの気になる部分、傷む部分、そして今後問題が生じる可能性のある部分を治療していくこと。

一般歯科部長 篠ケ谷龍哉

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